112.ありがとう
投稿者 : 利投稿日:2007/10/20
父さんへ
父さんが小細胞肺癌と告知され余命1年と言われたときのショックは今までに感じた事のないものでした。家族で相談し小心ものの父さんには未告知で治療をうけさせることに。治療が開始されましたが、父さんは感じていたんでしょ?私たちの言動の違いに・・・。抗がん剤治療で一時は軽快だったけど、副作用で入院が長引き半年ほどしてから「もう治療したくない」と言われやっぱり、本人に告知することにし話しをしたよね。父さんは何も言わず部屋にこもってしまいどうしようと。しかし、大好きな孫の出演するイベントが告知当日にあり「見てくるか」「明日からの治療もうける」といって部屋から出てきてくれ、みんなで安心しました。
私は看護師です。父を通して他病院での治療・入院生活で感じた(家族としての不安・不満の対応や患者に対する対応)事は沢山ありました。でも、いつも見ていただいてる方たちには言えず、父が不満を言っても「わがまま言わない!」「みんな一生懸命なんだから」「父さんだけが辛いわけじゃない、入院している人はみんな同じ」なんて父さんを叱ってばかりだったね。お風呂が大好きで毎日、入浴していけど許可がでず、「身体もなかな拭いてくれない」と言ってったから、毎日家族で面会の時に足浴したよね。身体も拭いたり。今、思うと私は父の思いより自分を優先にしていた?あまり医療者の人の手をわずらわせたくない思いから・・・。ごめんね。そうじゃないよね。きっと、父さんは私に患者や家族は言いたくても言えない人もいること。手を自分から差し伸べてやれと私に教えてくれたんだね。ありがとう。
父さんが大切にしてくれていた孫2人も将来は看護師になりたいって。父さんみたいに辛い人の支えになれたらとがんばりたいといってます。
父さんに反抗ばかりしていた私でした。困った時だけ助けコール。図々しく困らせていました。「なんて親離れできてない!」と叱られていながらも今、父さんがいなくなって、改めて色々なことを教わってきた事にきずいてます。
母さんは一気にふけてしまいました。気も弱くなり前とは別人です。父さん天国からみんなを見守ってね。約束した京都へは生前いけなかったけど、今度みんなでいくよ楽しみにしててね。(遺影をじさんするからおいてかないよ)
また、父さんの娘で生まれてきたいよ。本当にありがとう。母さんの事は兄弟でしっかりまもるから父さん影から見守ってね。
本当にありがとうございました。