「免疫」とは?知ってるようで知らない言葉 ![]() 私達の体には外部から進入してきた異物(抗原)を認識し、これを排除しようという機能が備わっています。この仕組みの事を免疫といいます。 免疫の役割を持つものには、血液中の単球(マクロファージ)や好中球、リンパ球(ヘルパーT細胞、キラーT細胞、活性化したキラー細胞のLAK、Bリンパ球など)、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、といった細胞(細胞性免疫)と、抗体やその働きを助ける補体、サイトカイン(生理活性物質)などの液性物質(液性免疫)の2種類があります。 また、これらはさらに体内に侵入した特定の抗原に反応する特異的な免疫を担当するものと、非特異的な免疫を担うものにわかれ、リンパ球や抗体は特異的な免疫を、マクロファージや好中球等は非特異的な免疫をそれぞれ担当します。 非特異的な免疫はたとえていえば外敵が家屋に侵入するのを防ぐ窓やシャッターの役目を果たしています。そしてきちんと錠を掛けておいたにも関わらず、外敵がその鍵穴にフィットする鍵を差し込んだとき、電気ショック(攻撃)を与えるのがリンパ球や抗体等の特異的免疫なのです。 このような機能があるにも関わらず、人の癌(がん)は自然に排除されて治ることはきわめてまれで、治療をしなければ腫瘍はどんどん大きくなってしまいます。その理由として考えられるのは、まず第一に人の癌(がん)の抗原性が低い事が挙げられます。つまり癌(がん)はもともと正常な細胞が変化したものであり、正常細胞との区別がつきにくく、異物として排除しにくいのです。 また仮に癌(がん)細胞の抗原性が高いとしても、癌(がん)患者は癌(がん)を攻撃する免疫力が弱くなっている事が多いため、癌(がん)の自然治癒は滅多におこりません。 癌(がん)を免疫で治すには、正常細胞と見分けのつきにくい癌(がん)細胞の抗原性を高めて識別しやすくするか、患者の免疫による攻撃力を強める(免疫療法)のどちらかが考えられます。 しかし、癌(がん)の抗原性を高めるのは実際には非常に困難です。そのためにまず患者から癌(がん)細胞を取り出して操作を加えた後、再度患者に戻す必要がありますがこれは倫理的に許されていません。 逆に正常な細胞を患者から取り出して操作を加えた後に再び体に戻す事は認められています。これは一般的に養子免疫療法(免疫細胞療法)とよばれています。 また現在行われている癌(がん)の免疫療法(免疫細胞療法)は、基本的には「免疫力を高めて攻撃力を高める」という方法が主体となっており、医療行為としてはもちろんの事、民間療法(代替療法)などでも多くの種類が存在しています。 ※参考資料・・・・「癌(がん)の早期発見と治療の手引き(小学館)」
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